ホスティングの選び方
CPU制限 vs. 使用量制限
結局は、どこに制限が置かれるかなのだ。同じ値段帯で商売を行うとしたら、サービスの比重のかけ方で特徴を出そうとするのは、何もホスティング業界だけではあるまい。
そこで、共有ホスティングに関する制限を取り上げて、すこし考えてみよう。
食べ放題が成り立つのはわけがある。一つは食材が安いこと。大量仕入れのコストダウンと食材自身のランクを落とすのが常套手段だ。それと、一人が食べることができる量には制限がある。いくら、大食いチャンピオンであっても、内蔵一杯に食べ物が入ってしまったら、それ以上は食えない。チャンピオンはまずやってこないとして、一人あたりが食べることのできる量は平均どのくらいか、大抵想像が付く。それを元に値段を決めれば良い。
ディスクスペース無制限、月間転送量無制限も同じ手法をとっている。一つのサーバーにたくさんのユーザーを放り込み、無制限を実現する。もしくは、無制限の分だけ値段を上げるかだ。低価格の無制限ならば、詰め込みしか方法がない。
でも実際は、他の所で制限がかかっている。大抵はサーバーの資源、つまりCPU使用率だとか、メモリ使用率、ところによりファイルシステムの使用率(結局、ディスク容量の制限じゃないかw)が全体の何パーセントを使ってはいけない、何パーセントの状態が何秒続いたらだめだ、と決まっている。
一方、昔からの商売はディスク容量と転送量の制限を行い、値段を決めている。ホスティングによっては、上記の制限もかけている。
なぜ、制限をかけるか。それは、一定の量の資源をみんなで分け合って使用するからだ。その資源を公平に使用してもらうためにだ。制限を緩めるためには、スペックを上げなくてはならない。スペックのほとんどはハードウェアの投資が必要だ。そのためにはお金が必要。だから、制限が少ない、緩いところは値段が高くなる。
我々ユーザーは賢く選択をしなくてはならない。ホスティングにかけられる費用が決まれば、どの程度の制限を受け入れなくてはならないか決まると言うことだ。その制限の種類を、どこに制限がかかっているかを賢く選択しなくてはならない。
ディスク容量の制限は通常単独ではない。通常は月間転送量の制限とペアになっている。これは、ホスティングが始まってからこの形式でユーザーにどの程度の量を提供してくれるかを教えてくれる指針であり続けた。
さて、Webページに画像が、続いて動画が、フラッシュが、あれがこれがと、入れられるようになり、必要な容量と転送量は跳ね上がった。それに応じてホスティングが提供してくれる制限量も拡大していった。その分、値段が上がったかと言われれば、そうでもない。競争原理が働き、会社同士のせめぎ合いで、値段は抑えられ、さらに下がってきている。
その終極系が無制限なのだ。でも、実際どの程度使用するものなのか。
htmlを手打ちしてちょっと画像を使用するだけなら数百MBで十分だ。いわゆるホームページ作成ソフトで作成したファイルをアップロードする方法であっても、そうは増えない。
話題のCMSを使用して作成する場合、DBは1Gあれば、何でもできる。DBはコンテンツ中の文章の部分や管理情報、拡張機能などで使用されるが、通常、個人で作成する小さなコンテンツであれば100MB使用しないだろう。
CMSはその他、テーマ・テンプレートと呼ばれるどのようにサイトを構成するかを設定する部品が使う部分や各拡張機能がその機能を実現するために使用する資源が必要になる。CMSやインストールする拡張機能によって、当然必要量が変わってくる。しかしこれも個人で運営するサイトの場合、そう多くはないだろう。実際、当サイトでも約90MBで収まっている。
後はそのサイトを画像、動画、フラッシュなどでどの程度飾り付けるかの容量だ。容量はこれがメインになる。これらの容量が必要な容量の大部分になる。しかしだ、画像だけならともかく、動画ならYoutubeやニコニコ動画へアップし、そこからのリンクを利用した方が便利だし、別のアクセスも提供してくれる。自サーバーよりも、これらのサービスを利用する人のほうが多いと思う。
まあ、飾り付けの部分でも数GBで収まってくれるだろう。大きなものを作成しても、ユーザーはいやがるだろうから。それだけ、読み込みに時間がかかるためだ。
実際はCMSを使用してもサイト自体の部分は数GB、多くの場合は1Gの半分も使用しないと思う。これが、食い放題サービスで言えば、「一人あたり食ってもこの程度だろう」という見積もりだ。あとは、一人が数サイト運営するだろうから、その想定数をかけてあげれば、まあ10GB程度用意しておけば十分だろう。
余った分は、自分のコンピューターのバックアップに使用するかとかの考えは、やめておいた方が良い。あなたがWebサービスで提供するファイルでない限り、大抵の共有サーバーはアップを禁止している。ばれたら、アカウントの停止が待っている。サーバーの管理者からすれば簡単にみつかる。私なら2G以上ファイルシステムを使用しているユーザーを見つけ、そのサイトを確認、アップされているファイルの拡張子や圧縮ファイルをみて、目星を付ける。後は、ちょっと時間をかけて調べればすぐに見つけられる。後はアカウントを停止するだけだ。まあ、これは「大食いのペナルティー」と言っても良いだろう。
ファイルサーバー、バックアップサーバー、ストリーミングサービスの提供は、無制限ホスティングでは大抵のところが禁止している。これらのサービスの提供も容量をたくさん使用するため、各ユーザーの使用量を見張っていれば、確実に見つけられる。うまくできている。
さて、一方容量制限のあるホスティングであれば、一日に一回、個人に割り当てたディスク容量を調べれば済む。自動化も簡単。使用しすぎていれば、そのホスティングの基準に従い、ファイルを削除するか、アカウントを停止しユーザーに削除させればいい。
一番重要なのが、我々ユーザーである。制限にどう対処すればいいかである。
まあ実際、規約違反な使い方をしない限り、数GBあれば間に合うだろう。ちなみに私が借りているホスティングプランは20GBであるが、DB分を合わせても、まだ500MB使用していない。ちなみに3サイトを2xJoomla!、1xDrupal、1xWordPressで運営しているのに加え、ダミーでインストールしたJoomlaが2つだ。フラッシュや動画はアップしていない。作成するのが面倒なため。
まあ、20GB分を個人で構築しようとなれば、すごい作業になる。ちなみに、SharkSpaceではダウンロードサイトやストリーミングの提供を禁止していなかったと思う。制限一杯まで使ってもらって結構という主義であったと思う。(ここら辺はTerm of Serviceを自分でお読みになってもらいたい。事前に営業に問い合わせることも可能だ。英語だけれど。w)
他にログがたまっていくが、ものすごい数のアクセスを集めるサイトでなければ問題にならないだろう。問題になるなら、消せば良いだけだ。自分で消せなければ、チケットを発行して頼めばよい。(英語だけどw)
面倒?いいや実際、話は簡単。cPanelに使用量が表示されるので、時々注目していればよい。サイト構築時には一気に増えるが、ある程度サイトが完成すれば、増減は少なくなる。後は時々確認して、「ああ、まだまだ余裕だ」と思っていれば良いだけだ。
ログ以外で容量が勝手に増えることはない。だから、一番コントロールがしやすい制限である。
ディスク容量とペアで制限されることの多い月間転送量だ。こちらはディスク容量よりも幾分見積もりが難しい。
既存のサイトを引っ越す場合は簡単だ。それまでの実績がある。今までは、この数のアクセスでこのくらい。これからのアクセス増加がこの程度予想される。ならば増量分はかけ算だけで算出できる。
予算が無く、どうしても日本のサーバーで安いところを使いたいから、シビアに計算しなくてはならない。しかも、今まで一度もサイトを立ち上げたことがない人が見積もりを計算というなら、正直ちょっと無理だろう。w 他のサイトを立ち上げるなど、修行を行った方が良いと思う。
どうしてもというなら、今は無料のlinuxが手に入る。それを利用するなら、Webのホスティング環境を作成し、シミュレートしてみることで、各ページの転送量を調べ、希望するアクセス数を各ページごとに掛け合わせることで、概数を算出できる。大抵のCMSはPHP言語で作成されているため、Windowsでもやろうと思えばできる。まあ、大抵のサーバーはlinuxのため、linuxでシミュレートすることをお勧めするが、大差は無いだろう。
それも面倒なら、ディスク容量と転送量を段々と増やせるタイプのホスティングにするか、上位パッケージへの移行が簡単なホスティングを調べ、そこを利用して、とにかく一番安いホスティングプランで始めてしまうと言うのも手である。なかなかスムーズに上位パッケージに移せないのが大抵のところでは無いかと思うが。「一度解約してから、再契約になります」と言われることが多いかもしれない。
まあ、サイトが大きくないというなら、転送量無制限のサイトでもやっていける可能性はある。ただ、その手のホスティングは基本が詰め込み主義のため、サーバーのスピードは期待しない方が良いだろう。
このサイトは現状アクセスする人が多くないが、アップタイムの監視を複数で登録してあるため、一ヶ月で3GB程度の転送量になると思う。ちなみに制限は500GBである。まだまだ、心配には及ばない。w アクセス数が100倍を超したら、ちょっと心配し始めよう。w
SharkSpaceの良いところを最近確認したので、一応紹介しておこう。50%割引きは共有サーバーの中位と上位のクラスに適用できる。私は中位のプランを選んでいる。20GBディスク容量で月間500GBだ。もし、どちらかが足りなくなったら、営業に連絡すれば上位クラスへ移行できる。ダウンタイムなしだそうだ。しかも、その場合でも50%割引きはそのまま適用される。上位クラスは100GBのディスク容量で月間1TBだ。矢でも鉄砲でも持ってこい。w
まあ、月間転送量もログに残るし、その月の転送量はcPanelで確認できる。だからいきなりサイトへのアクセス数が急増した場合を除き、管理は面倒でない。毎月の上下を確認していて、危なくなったら、ホスティングを移動するか、上位プランへ移行するかを考え始めればよい。転送量はアクセス数と比例するため、通常急に上昇することは滅多に無いだろう。あってもcPanelの数値を毎日、見ていれば、制限量を超えそうかどうかは、見分けが付く。
CPU制限は無制限を広告にしているホスティングでは、たいてい採用されている制限事項だ。
サーバー全体のCPU使用量は簡単にコマンドで見られる。各ユーザーのプロセス、一つ一つがその瞬間何パーセントのCPUを使用していたかも表示できる。
しかし、Terms of Servicesにはユーザーが「10%を10秒間」という書き方になっている。これはそのまま監視できるものなんだろうかと疑問に思っている。
ある瞬間にあるプロセスが何パーセント使用しているかは表示でき、それにはユーザー名が表示されるため、ユーザーごとにまとめて計算すれば、出せることは出せる。
あらかじめCPUの使用時間の制限をかけておくこともシェルの機能で可能であるが、CPU使用率の制限ではない。
使用率を表示することと、これを自動で監視しようとすることはシステムへの負担が大きく違うはずだ。サーバーへユーザー詰め込み主義でただでさえ、負担のかかるシステムにそんなものを導入しているとは思えない。
よって、監視は自動ではなく、管理者が何十秒ごとにプロセスのCPU時間を表示し、10%以上のCPUを連続で使用しており、それがユーザーのプロセスならば、そのユーザーは規約違反でアカウント凍結にしているのではないかと推測している。
CPU利用率は多分サーバーの管理者にとっても監視しにくいものである。それ以上にユーザーにとっても難しい。何しろ、サーバーと同一の環境をそろえないと、自分の環境でテストはできない。
サーバーと同じハード環境、OSやそのほかのソフトウェアを全く同一に入れたとしても、その瞬間の他のユーザーのプロセス、サーバーへのアクセスなど、不確定要素が色々とある。まあ、それらの情報を全部、ホスティング会社が教えてくれるかは疑問であるが。(サーバーの仕組みの情報を解放して見せてくれるWebサービスもあるが、当然、ホスティング会社が申し込んでいなければ無理でしょう。)
結論づければ、お金と時間をかけてまで同一環境を作成するユーザーはいないのだ。かけても難しい。
CPU利用率と利用時間は瞬間で変化するものだ。ディスク容量や転送量のようにゆっくりと変化するものではない。それをコントロールしようとすれば、四六時中監視しなくてはならない。実際、無理な話だ。多分、見張っていて「やばい、10%以上で10秒超える」と思い、コマンドを叩いてそのプロセスを止められたとしても、そのときには10秒を既に超えているだろう。(しかも、監視のためにコマンドを10秒以内で繰り返し使用すれば、それだけでCPUを浪費する。w)
実際無理だから、「いきなりアカウントを凍結された」ということになる。もちろん、ユーザーはCPUを消費するタイプのプログラムを走らせたのだろう。もしくは、同時アクセスのかかるサイトへ成長したのだろう。おめでとう。
もしかしたら、一部の悪質ロボットが検索情報を一度に集めようとハッスルしているのかもしれない。自分で個人のプログラムを走らせた場合以外は、他からのアクセスのため管理できない。起きてしまったら、あきらめるしかない。ホスティング会社が勧めるように、上位パッケージへ移るか、他のホスティングを探すべきだ。
こちらもCPU制限と同様に無制限タイプのホスティング会社で良く採用されている。
こちらはCPUの監視と比べれば、優しい。ホスティングされているサーバーで採用されているOSやプログラムを調べ、ローカルで実験してみれば、あなたの独自のプログラムでも見当を付けられるだろう。
独自プログラムを走らせる予定がない人、つまりCMSなどサイトを構築するだけの人なら、まず心配ない。CMSを動かしているPHPが使用メモリの制限を設定されている。これはセキュリティーのためである。が、サーバーの制限より小さく設定されているので、通常問題になることはない。
ディスク容量は無制限といっているのに、Terms of Serviceではファイルシステムの10%とか制限しているホスティングもある。ファイルシステムは多分サーバーで使用できるディスク容量を表している。結局、1TBの容量をRAID等を使用して運営していても100GBが上限となる。なのに、「無制限」と言い張るのはおかしい。
他にもinodeの数を制限に入れているものがある。linuxのファイルシステムでファイルの監視に使用されるテーブルの要素である。まあ、1ファイル=1node程度の理解でかまわないと思う。1ディレクトリーは確か2nodeだったと思う。つまりこれがTerms of Serviceで制限されていると、50,000ノードなら、ファイル50,000個で制限されているということだ。これでも「無制限」である。
更に、ファイル一つ一つの大きさの制限があるのだ。20MB以上のファイルはシステムのバックアップに入れない。もし、ユーザーがアップロードしていた場合、しばらくは存在することになる。ところが、システムの障害や定期的なメンテを行い、バックアップから書き戻す際には、存在していないため、消えてしまうということだ。さすがは「無制限」、とても危険だ。Terms of Serviceをきちんと読んでおくことを本当にお勧めしよう。
まあ、結局わかりやすい対比は「無制限だがサーバーが遅く、管理が難しいCPUを元に制限がかかっている」ホスティングか、「動向が予想しやすい転送量、しかも通常は十分な量が提供されていて早い」ホスティングかだ。SharkSpaceで後者が手に入る。
最後に、一言付け加えておこう。SharkSpaceにはディスク容量と転送量の制限しか存在しないということだ。よほど、他のユーザーに迷惑をかけるような使い方をしない限り、制限は容量と転送量だけだそうだ。それでも、「無制限」で遅いホスティングが使用したいのなら、しょうがない。お好きにどうぞ。w
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